世界的な日本食ブームに伴って、日本酒の注目度も高まっています。
日本酒は様々な種類があり、料理に合わせて日本酒の温度を変えると、料理を引き立てるのです。
今回は、初めて日本酒を試す方に向けて、日本酒の種類と美味しい飲み方をご紹介しましょう。
そもそも日本酒って何?
日本酒は米・米麹・水を主原料とし、日本特有の製法で発酵させて造る醸造酒の一種です。
日本酒の起源は、約12000年前の縄文時代から弥生時代に誕生したと言われています。
日本酒は白米を蒸して、水を加えて発酵・熟成させて丁寧に造られます。
日本酒の80%は水で出来ており、日本酒の品質を決定づける大切な要素です。
醸造メーカーは専用の水源を持っており、瓶やバケツを洗う水まで酒造用水を使用するこだわりです。
日本全国で多くの種類の日本酒が製造されており、地酒として代表的な商品を販売しています。
日本酒は適量飲酒を心がければ百薬の長となり、健康維持にも役立ちます。
日本酒の原料である米麹はアミノ酸が多く含まれており、美肌効果や老化防止にも期待できます。
日本酒の原材料
日本酒はお米のお酒であり、原料は米、米麹、水とシンプルです。
日本酒造りに適した品種を「酒米(さかまい)」と呼び、食用米よりも粒が大きいタイプです。
酒米を精米する際には、雑味のもとになる米の表面のタンパク質や脂肪分を削り落とします。
酒米にはデンプンの塊である心白(しんぱく)があり、空気中の酵母が付着してアルコール発酵が起きます。
多くの酒蔵は名水に恵まれた地にあり、天然の湧き水や伏流水に含まれるミネラルが含まれています。
日本酒は米を原料とし、良質な水によって独特の味わいが生まれるのです。
日本酒の種類
ここからは、日本酒の種類について見ていきましょう。
純米大吟醸(米・米麹・精米歩合50%以下)
原料は米・米麹・水とする純米酒で、精米歩合が50%以下になります。
米の旨味と、華やかな吟醸香を味わえます。
大吟醸(米・米麹・醸造アルコール・精米歩合50%以下)
原料は米・米麹・水・醸造アルコール、精米歩合は50%以下になります。
米を半分以上丁寧に磨き上げ、香り高さが特徴です。
純米吟醸(米・米麹・精米歩合60%以下)
原料は米・米麹・水とする純米酒、精米歩合は60%以下となります。
よく磨いたお米を長期低温発酵させる吟醸造り、香りはおだやかです。
吟醸(米・米麹・醸造アルコール・精米歩合60%以下)
原料は米・米麹・水・醸造アルコール、精米歩合は60%以下となります。
よく磨いたお米を長期低温発酵させる吟醸造り、フルーティで華やかな香りです。
特別純米(米・米麹 60%以下または特別な製造方法)
精米歩合は60%以下となり、特別な醸造方法で造られた純米酒です。
酒蔵や醸造メーカーによって香り・色合いにこだわりがあります。
特別本醸造(米・米麹・醸造アルコール・精米歩合60%以下)
精米歩合は60%以下、特別な醸造方法による本醸造酒です。通常の本醸造酒よりも繊細な味わいです。
純米(米・米麹)
米と米麹、水のみで造られた日本酒です。
醸造アルコールが含まれていないので、米本来の旨味や甘み、コクが生きています。
本醸造(米・米麹・醸造アルコール・精米歩合70%以下)
原料は米・米麹・水・醸造アルコール、精米歩合は70%以下です。
醸造アルコールを加えるとスッキリとした口当たりとなります。
普通酒(それ以外)
その他には、加水調整をせずに濃醇な味わいを楽しめる「原酒」、加熱処理をしないみずみずしい風味の「生酒」などがあります。
人気の日本酒を紹介
日本各地には地酒と呼ばれる日本酒があります。
ここからは、人気の日本酒5選ご紹介しましょう。
①十四代 (じゅうよんだい)
山形県の高木酒造が製造する「十四代」は芳醇旨口を代表する日本酒です。
芳醇な華やかな香りとエレガントな香り、ふくよかな味わいは心地よい余韻を感じられます。
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②獺祭 (だっさい)
「獺祭」は山口県岩国市の酒蔵である旭酒造が製造しています。
ルーティで華やかな香りとスッキリとした飲みやすい味わいは、白ワイン好きの方に定評あり。
和食や淡白な魚介料理、魚介類のオードブルとの相性も抜群です。
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③久保田 (くぼた)
純米大吟醸酒「久保田」は、食前酒や乾杯のお酒、 前菜から食事中にも最適な日本酒です。
淡麗辛口の味わい、洋ナシやメロンを思わせる華やかな香り、甘味と酸味が調和した上品な味わいが特徴です。
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④八海山(はっかいさん)
「八海山」は新潟県県南魚沼市の銘酒として全国的に人気のある銘柄の一つです。
のど越しのなめらかな淡麗辛口、高精白の原料米を用いた吟醸酒造りが支持されています。
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⑤写楽(しゃらく)
「写楽」は福島の酒を代表する銘柄です。
東日本大震災後においても、福島の宮泉銘醸として高品質の酒を生み出しています。
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日本酒に合う食事は?
純米酒、吟醸酒、本醸造など、日本酒の種類によって合う料理が変わってきます。
お米のふくよかな香りがする純米酒には、しっかりした濃いめの味付けの料理がおすすめです。
例えば、肉料理、油炒め、魚の煮付け、煮物、バター料理とも相性が良いです。
香りが良い吟醸酒は、食前酒や食後酒向けに適していますが、淡白な素材の料理と合います。
例えば、白身魚の刺身、カルパッチョ、魚の塩焼き、おひたしなどが挙げられます。
辛口か甘口かで選ぶ
日本酒に含まれる成分の量から、甘口・辛口を判断することができます。
お酒の中に入っている糖分が多いと芳醇な甘口、少なければスッキリ辛口の日本酒になります。
また、日本酒はアミノ酸度が高いと甘口、酸度が高いと辛口に感じやすいです。
飲み方で選ぶ
日本酒は温度によって、味わいや香りに変化があるお酒です。
常温
「常温(冷や)」とは冷やさず、温めず、そのままの温度(20~25度)で飲みます。
純米酒や吟醸酒などは、常温で口あたりが良く、お酒の本来の味わいを楽しめます。
冷酒
「冷酒」は冷蔵庫で冷やして冷たい状態(5~15度)で飲みます。
香りを楽しめる吟醸酒、生酒、生貯蔵酒などはスッキリ爽やかに味わうことができます。
熱燗
「熱燗」とは湯煎や電子レンジなどで温めて(30~55度)飲みます。
純米酒や本醸造酒など、しっかりとした味わいの日本酒に向いています。
海外でも大人気!
世界では、ヘルシーさと美しさを兼ね備えた日本食の人気によって、日本酒も注目を集めています。
ニューヨークやロンドンなどの都市では、オリジナルの「SAKE」を製造したレストランも登場。
ロサンゼルスでは日本酒の試飲会が人気を集め、エミレーツ航空では国際線に日本酒をメニューに取り入れました。
ついには、日本酒はユダヤ教が定める食べ物のコーシャーにも登録されたと話題です。
まとめ
日本酒は料理の温度と合わせることで、料理を引き立てて食事をより美味しく演出します。
日本酒を初めて飲む方は、お刺身と一緒に冷酒で頂くとスッキリとした味わいを堪能できます。
冬のおでんや鍋料理には熱燗で深い味わいを感じるのも良いでしょう。
ぜひ、自分好みの日本酒と合わせ方を探してみてください。