近年、和文化を身近に感じられるお稽古教室に注目が集まっています。
「茶道教室」は古くから伝わる「おもてなしの精神」や「侘び寂び」を学べるとあって、人気急上昇中です。
茶道を体験すると、旅の疲れや日頃のストレスも解消されて、心を癒やしてくれるでしょう。
そこで今回は、茶道の歴史や特徴、日本にあるおすすめ教室をご紹介しましょう。
伝統文化の茶道って何なの?
「茶道(茶の湯)」とは、「茶室」と呼ばれる部屋で亭主のおもてなしを受けながら四季折々の時間を楽しむ日本の伝統文化です。
亭主は客人にお茶を点(た)て振舞い、客人は亭主の「おもてなし」を受けながらお茶をいただきます。
「茶道」には「作法」と呼ばれる決まり事があり、お茶の点て方(お点前)、頂き方、座り方、礼の仕方、立ち方、歩き方の動作にルールがあります。
難しく感じますが、作法は客人をもてなし、お茶をおいしく差し上げるために存在する大切な決まりごとです。
「茶道」の特徴は、客人にお茶を振舞い、亭主と客人との精神的な交流を重んじていること。
そのため、客人は茶室、庭、茶道具、振舞われる料理、手前作法などの審美性にこだわっています。
「茶道」はお茶を味わいながら和菓子を味わう楽しみの他、心を鎮めて精神を落ち着かせてくれる効果があります。
客人をもてなす茶道の精神は現代日本人の「おもてなしの精神」や「侘び寂び(わびさび)」に受け継がれているのです。
茶道の歴史について
茶道の歴史は鎌倉時代(1185-1333)に遡り、中国に渡った栄西が禅宗(臨済宗)と一緒にお茶を持ち帰ったことが始まりです。
室町時代(1392-1491)には中国からの唐物が渡来し、日本製の茶道具を使用した茶道は全国的に広まりました。
亭主と客人との精神的な交流を重んじる精神は武野紹鷗に受け継がれます。
安土桃山時代に(1573-1603)、弟子である千利休は)は哲学的な思考性と美の世界を極めて「わび茶」を完成させました。
千利休が確立した「わび茶」は今日の「茶道(茶の湯)」の基盤となり、大切に受け継がれています。
茶道体験では何ができるの?
茶道は細かい作法や礼儀があるため、日本人も「難しそう」「敷居が高いのでは」と思う方は多いでしょう。
近年は、全くの初心者でも気軽に学べる教室は増えており、お茶会のように気軽に参加することができます。
一般的に茶道教室では、専用の茶道具を用いてお茶を点てることを学んだり、茶道の一連の流れを体験できます。
茶道具は「茶碗」や抹茶を点てる際に使用する「茶筅」、抹茶の粉を掬う「茶杓」などを使います。
教室によっては本格的に免状が取れるところもあるので、目的に合わせて選ぶと良いでしょう。
近年は、訪日外国人向けに気軽に茶道の世界を感じられるように、カジュアルで楽しいレッスンが増えています。
茶道としての伝統や格式を守りながらも現代風にアレンジされているのが特徴です。
正座をしないでテーブルで茶道をするレッスンは足が痛くならないので、外国人に人気があります。
流派の特徴について
流派とは異なる文化や流儀を継承することで、茶道・書道・華道・武道の全てに存在するものです。
茶道の流派は千利休を始祖とし、元は一つの流派でしたが、四代目から流派が分かれて、今日の茶道には多くの流派が存在しています。
茶道を伝承する流派は全部で約500種類以上存在すると言われています。
千利休の子孫によって確立された「表千家」「裏千家」「武者小路千家」の3つは「三千家」と呼ばれる代表的な流派です。
同じで茶道でも作法や使用する茶道具などが少しずつ異なっています。
裏千家
千利休の孫である千宗旦には4人の息子がいて、4男の千宗左が後継となりました。裏千家は千宗左から始まった流派です。
宗左の裏に庵を建てたことから、裏千家が始まったと言われています。
「裏千家」は全国に2,800以上の教室があり、海外では37か国以上に広まっています。
日本で茶道を習っている人口350万人の中、「裏千家」は半数以上を占めており、最も多い流派です。
裏千家は表千家や武者小路千家と比べて、開かれた流派であると言われています。
そのため、カルチャースクールや学校の授業、サークル活動など幅広い場所・地域で裏千家のお稽古場が見つかるでしょう。
裏千家は歩く歩数、礼の仕方、帛紗の色などがほかの流派と異なり、独自の作法があります。
表千家
「表千家」は千宗旦の3男、江岑宗左(こうしんそうさ)が興した流派です。
「表千家」と「裏千家」の元は一緒ですが、「表千家」は全体的に保守派であると言われています。
表千家は派手さがなく質素であり、伝統的なわびさびの心を感じられる流派です。
武者小路千家
「武者小路千家」は千宗旦の次男が興こした流派です。表千家や裏千家と比較して小規模です。
武者小路千家という名前は、表千家・裏千家から離れた武者小路と呼ばれる通りに茶室があったことが由来です。
「武者小路千家」は表千家と同様に保守的な流派として知られています。
千利休に始まった茶道のわびさびに重きをおき、三千家の中でも合理的な作法が特徴です。
海外でも茶道が話題
茶道を体験してみたいけれど、長時間ずっと正座をするのは心配…という訪日外国人には立礼式がおすすめ。
立礼式とは、正座の苦手な外国人をもてなすために裏千家で考案された椅子に座って手前をする形式のことをいいます。
正座でなく椅子式のため、ご高齢の方や膝が痛くなることがなく、気軽にお稽古できるがメリット。
海外でも立礼式やテーブル茶道が普及しており、和室のないビルの一室でも行われています。
茶道が習える教室
茶道を習える教室は初心者が気軽に参加できるカルチャーや免状をもらえる本格派の教室まで幅広くあります。
お稽古のスタイル、雰囲気や通いやすさを考慮して自分に合った教室を選んでみましょう。
裏千家 ウッド茶道教室
1976年、裏千家直門の名誉師範故冨田宗美先生が創立した歴史のある新宿の茶道教室です。
はじめての方に、茶道の雰囲気を感じられる「初心者向け茶道無料体験レッスン」を開催しています。
美味しいお茶を味わい、美しい所作や立ち居振る舞いなど日本の伝統文化に触れることができます。
期間は自由で月3回通える「フリータイムコース」も人気です。
営業時間:13:00〜21:00
料金:入会金 5,500円、月謝 6,600円(※無料体験レッスンあり)
URL:https://www.wood-sadoh.co.jp/index.html
萩山茶の湯サロン 裏千家茶道教室
初心者から本格派、子どもクラスなど幅広いレッスンが揃います。
週1回、1時間の個人指導(マンツーマン)は茶道の礼儀作法・点前を丁寧に指導してもらえると評判です。
茶会(新年茶会・炉開き・お祝い茶会)もあり、月謝は5,000円〜10,000円程度とリーズナブルに通えるのも嬉しいですね。
茶華道教室
東京新宿区にある茶道・華道・着付けをトータルで学べる教室です。
25年の歴史があり、茶道・華道・着付けを自由に選んで学ぶことができます。
レッスン料金は1回毎に3,000円(お菓子・お花・着物レンタル代込み)となっており、訪日外国人にも人気です。
営業時間:平日18 時30 分~21時、土日祝 不定時、振り替え可
料金:1回3,000円、入会金別途5,000円
URL:http://www.awahara.com/
茶の湯稽古場 雪後会
東京にある多くの茶道教室はビルやマンションの中にあります。
雪後会の稽古場「雪後軒」は東京新宿区にある落ち着いた静かな一軒家です。
茶の湯を楽しむのに相応しい佇まい、打ち水をされた門や石畳など、四季や和の雰囲気が魅力です。
通常の稽古では時間的に難しい茶事の流れを稽古したり、季節の行事を行います。
基礎的な点前と所作の稽古など、表千家の基礎がしっかりと身につきます。
営業時間:昼の部 午前10時半~午後4時半頃、夜の部 午後5時~午後10時半頃まで
料金:入会金10,000円、月謝10,000円
URL:http://setugoken.tokyo/
雷一茶
東京・浅草で1回から気軽にお抹茶体験ができる茶道教室です。
「良質な抹茶は苦くない」をコンセプトに美味しいお抹茶と濃茶スイーツを堪能しましょう。
作法を学ぶ茶道体験とは違って、気軽にティータイム感覚で楽しむことができます。
まとめ
茶道はお点前を頂きながら、茶室の掛け軸や生け花などの季節感を感じることができます。
愛でて豊かな心に浸ることができ、ゆったりとリラックスした時間を過ごすことができるでしょう。
ぜひ、一度この機会に茶道を体験してみてはいかがでしょうか?