「バス運転手の収入ってどのくらいなのか気になる?」
「民間と公務員のバス運転手で給与には違いがあるの?」
「地域によってもらえる給料ってけっこう違うのかな?」
異業種からバス運転手に転職を考えている方にとって、将来の年収がどのくらいになるのかは気になるところです!
この記事では、バス運転手の収入について詳しく解説していきます。
公務員としてのバス運転手と民間の仕事の給与差や、地域ごとの年収ランキングにも触れているので、気になる方は最後まで読み進めてみてください。
バス運転手ってどんな仕事内容なの?
制服に身を包み、制帽を被り、大きなバスの舵を操る「運転手さん」は、昔から子どもたちの夢の職業でした。
運転手の最大の責任は、乗客を安全に、確実に目的地まで導くことです。
一度事故が起きれば、それは人命に深刻な影響を与える可能性があります。
運転中は外部だけでなく、バスの車内の安全や乗客の健康、乗客同士のトラブルにも十分な気遣いが必要です。
さらに、公共交通機関として社会に対する貢献度も大きく、その仕事の重要性や必要性は広く利用者に認識されています。
そのため、彼らの頼もしい姿勢は誰の目にも格好良く映り、やりがい満点で、魅力ある職業と言えるでしょう。
バスの種類
路線バス
市街地を横断し、バス停からバス停へと移動するのが、私たちの身近な公共交通手段である路線バスです。
この手段は、車を所有していない方や運転が難しい方々にとって非常に便利な選択肢となっています。
路線バスの特徴は、あらかじめ設定された経路を順に走ることです。
これにより、地域内で短い距離を効率的に結びつけることが可能となっています。
運転時間は通常、1日あたり8時間以内で運行され、これは特に長時間運転が求められるわけではありません。
将来的に高齢者がますます増加する社会においては、路線バスはさらに重要な交通手段となるでしょう。
立っている乗客も多いため、運転技術は特に重要です。安全かつ円滑な運行を確保するためには、運転手のスキルが問われます。
このような特性から、路線バスは地域社会において欠かせない存在であり、多くの人々が日常の移動に活用しています。
観光バス
修学旅行やバスツアーなど、観光や娯楽の際に頼りにされるのがバスです。
バスは利用者の良い思い出づくりに一役買っています。特に旅行好きな方には、自身も旅行を楽しむ上で特におすすめの交通手段と言えます。
地域によって異なりますが、バスの運行には繁忙期と閑散期が存在します。
これは観光地の混雑具合や季節による需要の変動によるもので、バスの利用者にとってはその地域の特性やシーズンに合わせた移動が可能です。
高速バス
比較的安価であり、他の長距離交通手段(飛行機や新幹線など)と比べて手軽に利用できるのが、主に高速道路を駆け巡るバスです。
夜間走行や長距離の運転もあるため、体力があり、かつ稼ぎたいと考える人にとっては適しています。
また、バスの中でも一般的な道路とは異なり、高速道路を快適に走行することが求められるため、車両のグレードが比較的高いことが一般的です。
高速道路でのスピードが求められる中、安定した運転が重要視されています。
これは利用者の快適な旅行体験のために欠かせない要素となります。
送迎バス
路線バスよりも特定の場所や特定の利用者向けに運行されるのが送迎バスです。
例えば、駅からの会社送迎やイベント送迎、スイミングスクール送迎、幼稚園送迎、介護施設送迎など、その用途は多岐にわたります。
この仕事の特徴は、比較的短時間の労働が求められることで、規則正しい生活を送りやすい一面があります。
送迎バスの運行は特定のイベントや時間帯に絞られることが多く、これが労働時間を限定する一因となっています。
ただし、雇用形態は会社によって異なり、他のバス運転手に比べて収入が低い傾向があります。
これは運行が特定の需要に基づいており、労働時間や需要に応じて柔軟に働くことが求められるためです。
車両
ダブルデッカー
49~72人乗りの2階建て大型バス。
高い位置から素晴らしい景色を楽しめます。1階席も含めてたくさんの座席があります。
スーパーハイデッカー
45~55人乗り。
中2階で運転席を低くし、キャビンフロアをフロントガラスまで伸ばしています。
広いガラス面からの開放的な景色をお楽しみいただけます。
大型ハイデッカー
45~51人乗り。
大型一般車よりも高いデッキが特徴。
主に観光向けで、最も多く運行されています。
大型一般車
41~53人乗り。
普通の大型車。
大型ハイデッカーに比べて高さが控えめです。
中型ハイデッカー
27~35人乗り。
大型よりは小さいけれど、ハイデッカーなので車高が高め。
座席数も減りますが、景色を楽しむことができます。
中型一般車
27~40人乗り。
普通の中型車。
高速バスなどであまり使われていません。
小型ハイデッカー
25~28人乗り。
中型より小さく、床の位置が高いため景色を満喫できます。
小型一般車
22~29人乗り。
普通の小型車で、マイクロバスとも呼ばれます。
近距離の移動に適しています。
バス運転手の年収について
バス運転手の平均年収は、年齢、性別、地域、職種などの要因を考慮すると、約368万円から560万円に程度なります。
月給で見ると、約30万円から47万円程度になり、一般企業の平均年収を上回るバス会社もあります。
勤務形態 | バス運行の種類 |
---|---|
公務員 | 都営・市営路線バス |
民間 | 路線バス・夜行バス・観光バス |
市営・都営バス運転手の年収
市営・都営バスの運転手は、公務員と同等の待遇を享受することができるため、通常、民間のバス会社よりも高い年収を期待できます。
さらに、これらのバスは地方自治体が提供する公共の交通手段であるため、ボーナスや福利厚生なども充実しています。
地域によって年収は異なりますが、例えば東京都の市営・都営バスの運転手の基本給は約32万円となっています。
初任給は高くありませんが、年功序列に基づいて給与がステップアップするため、最終的には年収700万円以上の高収入を得られる可能性もあります。
※2)参考:東京都総務局「東京都の給与・定員管理等について」
路線バス運転手の年収
民間の路線バス運転手は、公務員のように予め決まった経路を巡回する役割を果たします。
民間の場合、平均年収はおおよそ400万円で、公務員の同職種と比較するとやや低い水準ですが、それでも十分な収入を得ることができます。
ただし、労働時間が1日10時間を超える企業もあるため、入社を考える際には労働環境について十分な情報収集が重要です。
※3)参考:厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag路線バス運転手」
観光バス運転手の年収
観光バスの運転手は、旅行会社が設定したコースを運転するだけでなく、バスガイドとの打ち合わせや観光ポイントではゆっくりと進むおもてなしも求められます。
年収はおおよそ400万円前後、高い給与ではなく、労働時間も長いケースが多いため、満足感を感じない方もいるかもしれません。
ただし、ノルマがなく、観光地巡りができるという点で楽しさを見出せるでしょう。
※4)参考:厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag観光バス運転手」
夜行バス運転手の年収
夜行バス運転手は、夕方から夜にかけてポイントごとにお客様を拾い、夜間に高速道路を運転し、朝方に目的地でお客様を送り届ける仕事を担当します。
距離や時間によって一人または二人で業務を遂行することがあり、年収はおおよそ450万円程度です。
距離に応じて手当が支給され、観光バス運転手よりも高い給与が期待できる傾向があります。
ただし、深夜に長時間起きて運転するため、体調管理が難しい側面もあります。
しかし、夜行バス運転手は体力的に大変な部分もありますが、安定した年収を得ることができるのは大きなメリットです。
バス運転手の年齢別平均年収
年齢 | 平均年収 |
---|---|
20代 | 約389万〜415万円 |
30代 | 約443万〜445万円 |
40代 | 約474万〜494万円 |
50代 | 約508万円 |
60代 | 約342万円 |
バス運転手の地域別平均年収
地域によって年収が大きく異なるのは事実です。
国土交通省がまとめた「国土交通省「バスの運転者を巡る現状について」」によれば、三大都市圏では平均年収が約580万円に達していますが、地方では約380万円程度となっています。
都市圏と地方では年収において約200万円の差があり、この傾向が浮かび上がっています。
以下のランキング表は、政府統計の総合窓口「政府統計の総合窓口「賃金構造基本統計調査令和2年以降 一般_都道府県別」のデータを参照して都道府県別の年収を上位と下位をまとめたものになります。
順位 | 地域 | 月額給与 | 年間賞与 | 年収 |
---|---|---|---|---|
第1位 | 神奈川県 | 約36万円 | 約92万円 | 約524万円 |
第2位 | 東京都 | 約35万円 | 約93万円 | 約513万円 |
第3位 | 兵庫県 | 約34万円 | 約84万円 | 約492万円 |
第4位 | 愛知県 | 約32万円 | 約104万円 | 約488万円 |
第5位 | 大阪府 | 約29万円 | 約91万円 | 約439万円 |
※参考:政府統計の総合窓口「賃金構造基本統計調査令和2年以降 一般_都道府県別」
バス運転手の給料の特徴とは
バス運転手の給与は、勤務形態や所属する会社によって大きく異なります。
公営と民間の違い
最初に考えるべきは、「公営と民間の違い」です。
一般的な知識として、公営と民間のバス会社を比較すると、公営バスの給与水準が高いと言われています。
ただし、多くの観光バスは民間企業が運営しており、そのため違いがあまり顕著ではありません。
なお、公営バスでの勤務の場合は、公務員としての待遇が適用されます。
繁忙期や閑散期の違い
次に「繁忙期や閑散期の違い」です。
以前は、観光バスの繁忙期と閑散期の差が大きく、閑散期には待機時間が長くなりがちで、給与に変動が生じることもありました。
しかし、最近では年間を通じて観光バスの需要が安定しているため、繁忙期・閑散期による給与の変動は少なくなりました。
また、バス運転手の人手不足に対応して、繁忙期でも適切な休息を取らせてくれる企業も増加しています。
雇用形態の違い
最後に「雇用形態の違い」です。観光バス運転手の雇用形態は、主に正社員が多いですが、一部では契約社員も見られます。
基本給、賞与、各種手当などにおいて、正社員が優遇されることが一般的です。
バス運転手の給料の上げ方は
ここからは、観光バス運転手が給料をアップさせる方法について解説します。
給料を増やす主な手段は以下の2つです。
1. 勤続年数を積み上げる
初めに挙げられるのは、勤続年数を積み上げることです。
観光バス運転手の業界では、成果主義よりも年功序列の企業が多い傾向があります。
そのため、勤続年数を増やすことで給与もアップします。
同じ会社に長く勤務するだけでなく、バス運転手としての経験を積むことも、給与の向上に寄与します。
2. 転職する
もう一つの方法は、転職です。勤務する企業によっては、勤続年数をあげてもスキルを向上させても給与が増えない場合があります。
そのようなケースでは、基本給が高い企業や給与がスムーズにアップする企業への転職が有益です。
現在契約社員として働いている方も、正社員として転職するだけで待遇が向上することがあります。
また、観光バス運転手は年収1,000万円以上も目指せる一方で、給料の上限がある企業もあります。
バス運転手の年収は実際に低いのか?
バス運転手の年収は、厚生労働省「統計からみるバス運転者の仕事」のデータからみると全産業の平均年収より若干低い傾向があります。
しかし、バス運転手の給与が特別に低いとは言えません。多くの業界で、経験や実績によって給与が変動するのは一般的な傾向です。
バス運転手についても同様の傾向が見られます。年齢や勤務地、そして勤務先の業種(例えば大手の運輸業者か、地域密着型の業者か)によって年収には差が生じます。
同じ観光バス運転手でも、年収が500万円を超える企業もあれば、300万円台の企業も存在します。
高年収や好条件の求人を見つけるには、適切な求人との出会いが欠かせません。
そのためには、転職サイトやエージェントサービスを利用し、特にバス運転手の求人が多く掲載されているサイトを活用することがおすすめです。
ドライバーやバス運転手を目指す転職者にとっては、ドライバーに特化した求人・転職サイトを活用することが有益です。
求人サイトでは様々な条件で求人を検索でき、自分に合った仕事を見つけることが可能です。
非公開求人やスカウト機能など、転職を有利に進めるための機能も充実しているのが特徴です。
バス運転手の求人に注目することで、業界内で需要が拡大しているのだということが、よくわかります
厚生労働省「統計からみるバス運転者の仕事」によると、令和4年9月時点でのバス運転手の有効求人倍率は、2.06倍と全職種の平均である1.20倍を上回っています。
上記のように、バス運転手の人材不足が深刻な状況です。
そのため、転職を考えている方にとっては大きなチャンスが広がっています。
バス運転手への転職を検討している方は、転職サイトを積極的に活用して、自分に合った求人を見つけてみることをお勧めします。
求人サイトを利用することで、転職活動を有利に進めることができるでしょう。
当社では、バス運転手に特化した求人・転職支援サイト「どらなび」を運営しています。
無料で利用できるため、バス運転手としての転職を考えている方は、ぜひご活用ください。
まとめ
今回は、バス運転手の給与事情について詳しく説明しました。
バス運転手全体の平均月収は33.7万円(年収403.9万円)です。
一般のサラリーマンよりやや平均年収は低いものの、充実した福利厚生を提供している企業もあり、勤務先によっては高い給与が期待できます。
バス運転手を目指す際には、まず大型二種免許を取得し、自分に合った働き方を検討してみることが重要です。