訪日する外国人観光客が驚くもののひとつに、トイレのウォシュレット機能があります。
私たち日本人にはすでに馴染みのウォシュレット機能ですが、水質や衛生をはじめとするさまざまな問題から、海外では普及がほとんど進んでいません。
外国人観光客が驚くのも、無理はありませんね。
この記事では、そんな日本特有の文化とも言うべき「ウォシュレット」の魅力と使い方について紹介します。
快適で画期的な「ウォシュレット」
「ウォシュレット」とは
ウォシュレットとは、温水洗浄機能付きの便座のことを言います。
カタカナ表記であることから、英米由来のものとも思われがちですが、発祥はここ日本。
「ウォシュレット」という名称も開発元の企業が登録した商品名であり、英語にはそもそもそのような言葉はありません。
というわけで、会社が違えば名称も異なります。
そんなウォシュレットですが、日本家庭での普及率はなんと80%。
日本ではほとんどの人が利用していることが分かります。
このような高い普及率を示すところは、世界広しといえども日本くらいですから、ウォシュレットは今や日本が世界に誇る、日本独自の文化と言っても過言ではありません。
基本的なウォシュレットの使い方
基本的なウォシュレットの使い方は、
②用を足した後、ボタンを押して温水で洗浄する
③トイレットペーパーで優しく拭き取る
以上の3ステップです。
どんな場所で設置されている?
ウォシュレットは、ホテルや飲食店、大型施設など、さまざまな場所に設置されています。
またショールームを用意しているメーカーもあり、誰でも気軽に体験することができます。
日本人がウォシュレットを利用する理由
便座が常にあたたかい
1日に必ず数回は使用するトイレ。快適であることに越したことはありません。
日本でウォシュレットが発明されたことには、トイレに対する日本人の並々ならぬこだわりが関係しています。
そのこだわりの一つに、便座をつねにあたたかくしておくことがあります。
寒い冬場のトイレでも、便座を人肌の丁度良いあたたかさに保てるため、誰もが安心してトイレを利用できます。
便座のあたたかさは、ウォシュレット機能が普及するための必須条件であると言えるでしょう。
さまざまな洗浄機能
日本人がウォシュレットを利用することの前提には、便座のあたたかさをはじめとするトイレ空間そのものの快適さがあります。
しかし、ズバリの理由としてはやはり、洗浄機能そのものが充実していることを挙げておかなくてはなりません。
温水で洗浄できることはもちろんのこと、各人の身体や好みに合わせて、洗浄強度・洗浄位置を変更できますし、女性専用の洗浄機能も搭載されています。
外国人がウォシュレットを利用した感想
ウォシュレットをはじめて経験する外国人は、これまでに体験したことのない感覚と、ウォシュレット技術の高さとに、驚きを隠せないと言います。
一度経験すると病みつきになるようで、名だたるハリウッド俳優、世界をまたにかけるスターのなかには、ウォシュレットをわざわざ日本から輸入して、自国の邸宅に導入したり、「ウォシュレットに会うために日本にきた」と豪語したりするひともいるそうです。
種類が豊富なボタン機能
おしり(洗浄)
ウォシュレットの基本機能は、おしりの洗浄です。
ボタンを押すと、便座に収納されたノズルが拡張され、そこから水が噴射されます。
たいていの場合、洗浄強度・洗浄位置を変更できるようになっていますので、自分自身の身体や好みに合わせて調節することを推奨します。
しかし洗浄強度があまりに強いと、皮膚や腸の粘膜を傷つける可能性も。使用には十分な注意が必要です。
おしりをちょうどの位置で洗浄するには、便座に深く腰掛けることがいいと言われています。
またそうすることで、水の飛び散りを防ぐこともできます。
ムーブ
ムーブとは、洗浄用のノズルを移動させて、おしりの周囲を洗浄する機能です。
しかし、洗浄のためだけでなく、便意を促進するために使うこともできます。
ビデ
ビデとは、女性専用の洗浄機能です。生理のあいだ、女性器を清潔に保つために使用するもので、使い方は通常の洗浄機能と同じです。
乾燥
乾燥とは、その名のとおり洗浄したおしりを乾燥させるための機能です。
乾燥ボタンを押すと温風が吹き、紙の使用を最低限に抑えつつ、おしりをサラサラの状態にすることができます。
痔ろうをはじめ、おしりにトラブルを抱えている人、あるいは敏感肌の人には、たいへん重宝する機能です。
現状では、すべてのウォシュレットが乾燥機能を備えているわけではありませんから、使用前には確認しておくといいでしょう。
止(まる)
「止」ボタンを押すと、洗浄を止めることができます。なにかの弾みで、意図せず洗浄ボタンを押してしまったときには、「止」ボタンを押すといいいでしょう。
逆にいえば、ボタンを押さない限り洗浄が止まることがないため、洗浄をするときには心ゆくまで洗浄することができます。
リズム洗浄
リズム洗浄とは、適度に水勢の強弱を繰り返す機能です。
マッサージ洗浄ともいいます。ムーブ機能同様、おしりを刺激することで、便意を促進することができます。
その他の便利な機能
水勢調節
水勢調節とは、ノズルから噴射される水の勢いを調節する機能です。
おしり事情は意外とデリケートで、万人が同じように使うというわけにはいきません。
水勢調節機能を使うことで、丁度の加減で、違和感なくおしりを洗浄することができます。
ノズルの位置調節
水の勢いだけでなく、ノズルの位置調節もできます。
おしりの位置は個人個人によって微妙に違います。
位置調節機能を使うことで、ぴったりの位置を洗浄することができます。
温度調節
便座・洗浄水・乾燥風・これらの全てについて、温度調節をすることができます。
天候や季節に合わせて、ちょうどの温度を選択することができます。
脱臭
脱臭とは、便座に搭載された換気機能のことです。
脱臭ファンが回転することで、便器に臭いがこもることを防ぎます。
使い方の注意点
ウォシュレットは快適に利用できる反面、使用時間・使用回数によっては、肛門の痒みや痛みが引き起こされることもあります。
また、以下の使用方法は危険を伴う可能性が高いので、使用には細心の注意が必要です。
・排便刺激のための使用
・腸内洗浄のための使用
・膣洗浄のためのビデ使用
不適切な使い方による感染の危険性は完全には否定できません。
したがって、適度に、かつ、適切に利用することが大切であると言えるでしょう。
デザインにもこだわり続けるウォシュレット
高い機能性ばかりが、ウォシュレットの魅力ではありません。目を引くデザインも、その魅力の一つ。以下、いくつか紹介します。
四角いデザイン
タンクと便器とが一体になったワンピース型。
日本人に馴染みのある丸みを帯びたフォルムではなく、角張った直線の形状をしているためか、空間を切り取ったような印象を与えます。
ノイズレスなデザイン
便器と便座とが一体になったデザイン。
一体感を強調するために、表面の塗装をはじめ、随所にこだわりが見られます。
また、動作パネルを最小限の表示にするなど、極限にまでミニマルを追及したデザインになっています。
ユニークなデザイン
つい先日、ここ日本でも、ユニークなデザインのトイレが注目を集めました。東京都渋谷区に設置された、スケルトンの公共トイレです。
公共トイレには、暗い、汚い、臭い、怖いといったイメージがつきものですが、壁をスケルトンにすることで、そうしたイメージを払拭することを試みたデザインになっています。
壁が透けていれば、日光も入りますし、人目を気にして、トイレを綺麗に使用するひとが増えるというわけです。
もちろん、使用している最中は、トイレの内部は見えない仕組みとなっています。
日本産ウォシュレットのおすすめ商品
ここでウォシュレットのおすすめ商品をひとつ紹介します。
LIXILから発売されているタンクレストイレ「サティス」です。
タンクを無くすことでトイレ空間をスッキリ見せるという、日本人ならではのデザインになっています。
こちらのウォシュレットの最大の特徴は、なんといっても、ノズルが二つ付いていること。
一つはおしり洗浄のためのもの、もう一つは女性のためのものです。
ノズルの先端部を交換できるなど、ノズルを清潔に保つための工夫は随所に施されていますが、使う側からすれば、それでも気になるというのが本当のところではないでしょうか。
こちらのウォシュレットは、おしり洗浄のノズルと、女性のためのノズルとを分けているため、女性でも安心して使うことができます。
日本が誇る「ウォシュレット」一度体験してみては
この記事では、ウォシュレットの魅力と使い方とについて説明しました。
日本ならでは文化として、徐々に世界に浸透しつつあるウォシュレット。
一度使えば、病みつきになること間違いなし。
ぜひ、一度利用してみてはいかがでしょうか。