最近、小麦粉を使わない「グルテンフリー」という言葉を耳にするようになりました。
米粉で作られた米粉パンは小麦アレルギー対策にはもちろん、高い栄養値と腹持ちの良さにも優れています。
米粉パンは小麦粉で作られたパンと比べて、どんなメリットがあるのでしょうか?
そこで今回は、はじめて米粉パン作りをする方に向けて、米粉の特徴、小麦粉との違い、米粉の選び方、レシピまで、基礎知識をご紹介しましょう。
米粉パンの特徴
「米粉パン」とはその名のとおり、お米(うるち米・もち米)を粉末にしたものを原料にして作ったパンのことです。
米粉パンは小麦粉が使われていない「グルテンフリー」になります。
小麦アレルギーの方は小麦粉の代用として米粉を使用することができます。
米粉パンは水分が多いため、しっとり・もっちりした食感があり、腹持ちが良いという特徴があります。
米粉は団子や餅、まんじゅうなど、和菓子用の材料(上新粉、餅粉、白玉粉)のほか、米粉パンや洋菓子にも幅広く使われるようになりました。
通常の精白米は100gあたりのカロリーは358kcalですが、米粉は水分量が減るため、若干カロリーが高くなります。
米粉100gあたりのカロリーは374kcal、糖質量は81.3gです。
米粉が選ばれる3つの理由
米粉を選ぶ3つのメリットがあります。
まずは小麦アレルギー対策になること、栄養価値が高く、腹持ちがいいのでダイエットにも適していることです。
では、それぞれ詳しく見てきましょう。
グルテンフリーだから小麦アレルギー持ちでも安心
現代の食生活に「小麦粉」は欠かせない原料です。
パンやうどん、パスタ、カレーやシチューのルー、お菓子や揚げ物など、多くの食品に使われています。
小麦粉にはグルテンと呼ばれるタンパク質が含まれており、食品にモチモチとした美味しい食感を与えています。
しかし、このグルテンによって、小麦アレルギーや近過敏性腸症候群、体調不良、さらには肥満まで引き起こすことが分かっているのです。
そこで健康志向の人の間ではグルテンを避ける動きが広まっています。
米粉パンは小麦粉を使わないので、小麦アレルギーやグルテン不耐症の方も安心して食べることが可能です。
栄養価が高い
米粉は小麦粉よりも栄養素が豊富です。
炭水化物のほか、たんぱく質、脂肪、ビタミンなど多くの栄養成分を摂取することができるのがメリット。
お米に含まれる白米タンパク質は、血中のGLP-1(血糖値を下げてインスリンの分泌を促進する成分)を増加させ、血糖値の上昇が穏やかにし、腎臓疾患や糖尿病の進行を抑える効果が期待できます。
お米にはレジスタントスターチ(消化・吸収がされなかったデンプン)が多く含まれており、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を兼ね備えているので、腸内環境を整えてくれます。
米粉パンを食べることで、ビフィズス菌やラクトバシラス属細菌など、善玉菌の増殖を促進させて腸内環境を整えるので、便秘改善や美肌効果も高いです。
腹持ちがいい
米粉パンは通常の小麦粉パンよりも水分含量が多く、腹持ちの良さに優れています。
しっとりもちもちしているので、何度も咀嚼する必要があり、満腹感を得やすいのがメリット。
また、米粉はエクソルフィンの食欲増進作用を抑える効果があり、動物性脂肪の依存を減らして、血糖値の上昇を抑えて、体に脂肪を溜めこまないようにしてくれます。
米粉パンは食欲を抑制して、体重の減少を促すため、ダイエット中の方にも最適です。
米粉と小麦粉の違いは?
米粉と小麦粉の大きな違いはグルテンの量です。
米粉にはグルテンが含まれていませんので、米粉パンを作る過程でなかなか膨らまず、小麦粉はふっくら柔らかく仕上がります。
米粉と小麦粉は発酵時間も違いがあります。
米粉は短く、小麦粉は1次発酵と2次発酵に分けてじっくり発酵させる必要があります。
米粉は腹持ちが良く、小麦粉は食欲を刺激する特徴があるので、米粉パンのほうがダイエット向きです。
ただし、GI値は米粉が95、小麦粉は55~60となり、小麦粉のほうが低い数値です。
米粉 374kcal
小麦粉・薄力粉 367kcal
小麦粉・中力粉 367kcal
小麦粉・強力粉 365kcal
糖質量(100gあたり)
米粉 81.3g
小麦粉・薄力粉 73.3g
小麦粉・中力粉 72.3g
小麦粉・強力粉 69.0g
米粉はカロリーと糖質量は小麦粉よりも高い数値ですので、ダイエット中には食べ過ぎないように注意が必要です。
パンを作るときの米粉の選び方
米粉パンを作る際に、米粉はどうやって選べばよいでしょうか。
米粉はお米だけを原料にした100%の商品、原料を米粉として小麦グルテンを添加した商品まで様々です。
米粉パンには最新技術でうるち米を細かく粉砕した商品がおすすめです。
小麦アレルギー対策、グルテンフリーダイエットには100%米粉の商品を選びましょう。
パン用米粉
はじめて米粉パン作りをされる方は「パン用米粉」を使うと失敗しにくいです。
パン専用の米粉は十分に膨らむように工夫されていますので、しっとりと甘みのある生地に仕上がります。
米粉原料用に開発された米粉は、製粉時期によっては、米粉自体の水分量が変わってきます。
新米は水分量が多いので水分を10%程度減らして使用しましょう。
あきたこまち
秋田県産「あきたこまち米」を100%使用した国産米粉です。
特Aランクの美味しい味と安全性で選ばれています。
アルファ化した米粉を「ノングルテンの米粉パン」に適した配合でブレンドされています。
小麦および小麦グルテンなどを含めた原材料は一切不使用です。
マイベイクフラワー
秋田県産あきたこまち米を100%使用し、超微粉砕した米粉「マイドルチェ」にノングルテンの米粉パンに適した配合でアルファ化した米粉「マイプラス」をブレンドした米粉です。
外はカリカリ、中はもっちりとした美味しい米粉パン作りに最適。
小麦および小麦グルテンなどを含めた原材料は一切不使用です。
新潟県産米粉パウダーライス
「新潟県産米粉パウダーライス」は新潟県産コシヒカリを100%使用したパウダータイプの米粉です。
薄力粉タイプと強力粉タイプがあります。独自の製法により細かな粒子に仕上がっています。
お菓子用米粉
お菓子やパンの素材として開発された米粉です。
うるち米のみを100%使用し、一定の粒度に粉砕された微粒粉末になります。
米粉に含まれるデンプンがモチモチ感をUPします。
熊本県産米(ミズホチカラ)
「ミズホチカラ」は熊本県、福岡県など九州地方で生産されている『新規需要米』の品種名です。
特に熊本県では米粉に適した品種として知られています。
「熊本県産米粉」は製パン用と製菓用の2種類あり、製パン用は粒子が細かく、澱粉の損傷度が低い特徴があり、グルテンなしでも柔らかく美味しいパンが完成します。
リ・ファリーヌ(国産)
「リ・ファリーヌ」は小麦粉の代替として100%使用できる製菓用の米粉(国産うるち米)。
フランス語で米の粉を意味します。製粉会社の超微粒テクノロジーによって、粒子の細かさは従来の小麦粉の約1/2、なめらかでしっとりとした食感に仕上がります。
小麦および小麦グルテンなどを含めた原材料は不使用です。
米粉パンのレシピを紹介
ここで、炊飯器で作る米粉パンのレシピをご紹介します。
・白神こだま酵母5g
・人肌くらいのぬるま湯180CC
・砂糖大さじ1
・ミズホチカラ米粉150g
・アーモンドプードル50g
・スキムミルク大さじ1
・ミネラル塩小さじ1/2
・砂糖大さじ1
・ココナッツオイル(こめ油)大さじ1
1)1,2,3の材料を混ぜて10分くらい放置する
ココナッツオイル以外をボールに入れます。
2)キレイに溶けたらボールに移して
ココナッツオイル混ぜます。
3)炊飯器に入れて40分発酵させると膨らみます
早炊スイッチを入れます。裏も同様に。
4)粗熱が取れたらカット
参考サイト:炊飯器 de 米粉パン by ··凜寧·· 【クックパッド】
https://cookpad.com/recipe/6791463
まとめ
米粉パンはグルテンフリーで栄養値も高く、今パン作りや製菓作りにも注目の素材です。
外パリッ中モチッと仕上がります。
一度、米粉でホームベーカリーを体験してみては?