40代・50代になると、ライフスタイルの変化があり、今の職場での労働条件に不満が募ってきて、「転職できたらいいなぁ…」とお考えの方は多いでしょう。
しかし、年齢がネックになって、一歩踏み出せず、転職活動をとどまっているかもしれませんね。
確かに、40代・50代での転職活動は現実として厳しいものになりますが、近年の傾向としては転職成功する方は年々増えております。
そこで今回は、40代・50代で転職をお考えの方に向けて、転職成功のコツとおすすめ転職サイトをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
40代と50代で転職成功するポイントと基礎知識をお届け!転職成功率や採用率、50代転職が厳しいと言われる理由を詳しく解説します。
40代と50代からの転職に役立つ転職サイト・エージェント6選も要チェック!
40代と50代の転職事情はどうか?
40代・50代からの転職成功のコツを見ていく前に、まずは近年の40代、50代転職事情をチェックしていきましょう。
一昔前までは、50代から転職する人は珍しいケースでしたが、2020年頃から50代に転職を成功した人は増えており、年々増加傾向にあります。
総務省統計局のデータ「労働力調査(詳細集計)」によれば、2020年から40代前半〜50代前半における転職者は約60万人に上り、転職者全体の約20%を占めています。
つまり、転職者の5人に1人は40代〜50代となっていますので、日本の転職市場は高齢化が進んでいると見てよいでしょう。
従来の転職市場における需要は10代〜30代が圧倒的に多く、40代・50代の転職は賃金の高さや適応性の懸念されている理由から、「50代転職成功は難しい」と言われていました。
しかし、共働き世帯や女性の社会進出が進んだ現代では、企業の人手不足や同業他社の競争力を高めるために、経験豊富な50代の即戦力が求められるようになったのです。
2022年に40代・50代で転職活動を始めたい方は、一度検討してみる価値はあるでしょう。
労働力調査(詳細集計)2021年(令和3年)平均結果の要約,概要,統計表等
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/dt/pdf/index1.pdf#page=17
厚生労働省発表(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/19-2/dl/gaikyou.pdf
40代・50代で転職する女性の割合が増加傾向
ここからは、40代・50代で転職する人はどれくらい増えているのか見ていきましょう。
厚生労働省の「平成30年の労働力調査」によれば、2014年に50代で転職した人は約25万人、2020年からは約60万人にも増えており、特に女性の転職希望者が増えています。
女性は非正規雇用の採用率が高く、パートタイム労働者や派遣社員、契約社員の転職も含まれているので、40代・50代の女性は雇用形態に関わらず転職する割合が増えているのです。
40代・50代の転職成功率は依然として厳しい
近年は、40代・50代から転職する人が増えていると分かりましたが、実際にどれくらいの割合で転職成功しているのでしょうか。
40代・50代の採用率
・正規雇用:約29%
・非正規雇用:約25%
40代・50代で転職を希望している人が増えている一方で、依然として企業が求められる条件は厳しいものになっています。
特に未経験の求人は「地獄」と言われているのも納得です。
基本的に50代の転職希望者を受け入れている企業は管理職やハイスキルを持つ経験者を求めており、正社員の雇用率は約29%、この数値は20代〜30代の転職希望者の半分の数値です。
厚生労働省のデータ「転職者実態調査の概況」によれば、50代の転職成功率は10代〜30代のどの年代と比べても低く、正社員として雇用される割合は約29%、非正社員雇用は約25%です。
40代・50代で転職したい人が増えていても、実際に希望の企業に転職できる人が少ない理由は、はやり即戦力のある専門職や薬剤師の国家資格などが求められることが挙げられます。
経験とスキルがある50代は企業の求人条件とマッチすれば、即戦力として採用されるチャンスがありますが、未経験で異業種の分野にチャレンジすることは難しいのが現状といえます。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/6-18c-r02.html
実際に増えている40代・50代の転職!その理由とは?
近年、40代・50代からの転職希望者が増えている理由は以下が挙げられます。
2位)仕事内容に不満がある
3位)介護や生活環境の変化があった
4位)人間関係がうまく行かない
5位)能力や実績が正当に評価されない
6位)会社の将来性に希望が持てない
会社との相性に関する理由
現在の仕事の労働条件や仕事内容、会社の福利厚生制度などの条件に不満があり、もっと条件がよく働きやすい環境を求める方も多く見られます。
人生のラストチャンスとして、今の職場よりも労働条件が良い会社に転職できたらチャレンジしたい、という理由です。
ライフスタイルやキャリアプランの変更
40代と50代の女性は子育ては一段落しており、これから親の介護や引越しなど、生活環境の変化、ライフスタイルが変わることが多いです。
その時が転職タイミングだと考えています。
40代と50代の採用が現実厳しい理由とは?
では、なぜ40代と50代からの転職は厳しくなるのでしょうか?
一般的には体力や適応力の低下と言われていますが、もっと大事なポイントがあります。
・高い労働条件を求めてくるから
・高い給与に強くこだわっているから
・資格なしだと強みがない
・自身の市場価値が分かっていない人が多いから
・管理職の経験を高く評価してほしいと思っているから
40代・50代の転職希望者は今までの経験やスキルを高く自己評価している人が多く、企業とのミスマッチも起こりやすい傾向にあります。
50代を積極採用している企業はほとんどがマネジメントスキル、豊富な経験があることを条件に挙げていますので、条件にマッチすれば50代、60代でも転職は可能ということです。
ただし、今の職場での経験やスキルが次の会社でも役立つとは限りません。
上場企業の管理職を有していても、条件にギャップがあると価値は低くなってしまうので要注意です。
50代で転職成功するには、自分の市場価値を十分に分かっている、そしてマネジメントスキルと経験を武器にして、次の会社とのマッチングが最適であるかを検討する必要があります。
転職市場において、自身の価値がどれだけあるか、自分で把握するのは難しいため、50代からの転職はエージェントを活用してサポートしてもらうやり方が一般的です。
40代・50代転職を成功させるポイント5つ
企業が積極的に40代・50代の人材を求めている場合、今までの経験やスキル、人脈等を駆使して即戦力となるか、という点が重要なポイントとなります。
1)経験が豊富でも自分を過大評価しない
2)転職市場で自分の価値を冷静に把握する
3)長年の経験で培った知見やスキルを最大限に活かす
4)企業が求める人材をよくリサーチする
5)中途採用に求められる柔軟性、謙虚さ
履歴書の経歴だけでなく、責任感の強さや柔軟性、適応力なども厳しくチェックされるでしょう。
企業が求める人材とうまくマッチすれば、転職成功の可能性は高くなります。
40代・50代におすすめの転職サイト6選
40代・50代の中途採用は求人数自体が少なく、情報収集するだけでも苦労するのが現状です。
転職活動をスムーズに進めるには、転職サイト・エージェントを活動すると効率的です。
・40代と50代を積極採用している求人を多数紹介してくれる
・非公開求人を紹介してもらえる
・専任のキャリアアドバイザーからサポートを受けられる
・希望の年収を交渉してもらえる
・50代の転職、面接対策をしてもらえる
転職サイト・エージェントは基本的に登録と利用は無料となっており、担当のキャリアアドバイザーによる40代・50代転職における全般のサポートを受けられます。
ここからは、「40代と50代におすすめの転職サイト6選」をご紹介しましょう。
ビズリーチ BIZREACH
「BizReach(ビズリーチ)」はテレビコマーシャルでもおなじみのスカウト型の転職サイトです。
登録後はスカウトを確認するだけでよいので、スムーズな転職活動に役立ちます。
・年収1000万以上の求人が3分の1以上を占める
・職務経歴書を記入して登録したら、スカウトを待つだけ
・気になる企業・ヘッドハンターに直接返信・やりとり可能
・有料プラン「プレミアムステージ」で有利な転職を実現
パソナキャリア
「パソナキャリア」は40代・50代ではじめて転職する方、転職の初心者におすすめの転職エージェントです。
丁寧なサポートに定評あり、年収や業界は幅広く対応しています。
・履歴書・職務経歴書の添削、面接対策の丁寧なサポート体制
・50代の転職を手厚いサポート・フォローを受けられる
・女性の転職支援に定評あり
リクルート
転職業界国内最大手「リクルートエージェント」は50代の求人数もトップクラスを誇ります。
ネットに一般公開されていない非公開求人は約10万件以上あり、利用価値は十分です。
・50代の公開求人数、非公開求人数、 管理職ともに国内トップ
・転職のプロ、キャリアアドバイザーが最適な求人を紹介する
・50代のハイクラス層のほか、一般転職まで幅広い
・企業との強いパイプがあり交渉に強みがある
リクルートダイレクトスカウト
2021年11月に開始した「リクルートダイレクトスカウト(元キャリアカーバー)」は企業のヘッドハンターからスカウトが来る新しい転職支援サービスです。
40代・50代も募集しているハイクラス層の中途採用、転職サポートに特化しており、年収600万円以上の高収入案件を多く紹介してもらえます。
・年収アップ・キャリアアップを目指す50代転職に人気
・年収600~2,000万円のハイクラス求人に強みがある
・企業スカウトは書類選考なしの面接確約
・ヘッドハンターに採用率の高い書類を作成してもらえる
JACリクルートメント
外資系や海外企業への転職をされる方は「JAC International」をチェック。
外資・グローバル企業に強みがあり、ハイクラスな国内大手企業の優良求人も多数揃っています。
・外資系や海外企業、ハイクラスな国内大手企業の優良求人を多数保有
・転職事情に精通したアドバイザーが常駐
・特定の業界を専任するため、経験者のアドバイザーが役立つ
・50代のハイクラス層に人気
doda X(旧:iX転職)
パーソルキャリアが運営する「doda X(旧:iX転職)」は、ハイクラス転職に特化しており、優秀なヘッドハンターからスカウトを受け取ることのできるサービスです。
・転職サービス「doda」人材業界大手のサービスのハイクラス向けサービス
・年収600万円以上の好条件な求人を豊富に保有する
・業界や会社の内部事情も気軽に相談できる
・多くの業界に精通したヘッドハンターが40代・50代転職をサポート
40代・50代転職の注意点
40代・50代で転職活動する上で、注意しておきたいポイントをご紹介します。
・年収にこだわりすぎない(年収が下がる可能性も考えておく)
・将来性のある中小企業、ベンチャー企業の求人もチェックする
・非正規社員への転職も視野に入れてみる
50代の転職は条件を厳しく設定せずに、余裕を持って求人をチェックすることをおすすめします。
求人数に対して内定が出にくい50代は柔軟性を持つことが大切です。
例えば、50代女性の場合、「正社員・事務」など条件にこだわりすぎずに、ハローワークなどで幅広い求人に目を通すと良いでしょう。
転職活動期間の目安
40代と50代の転職活動にかかる期間は約半年が目安となります。
人によっては1年近くかかるケースもあり、いずれにしても長期戦になることは間違いありません。
40代と50代を採用する求人数が少ない、また転職希望者と企業のマッチング率が低いため、思ったよりも仕事探しに時間がかかることになります。
そのため、50代の転職は長期化することを前提に転職サイトやエージェントをうまく活用しながら、時間に余裕を持って進めていきましょう。
まとめ
40代・50代の転職はスキルや実績、マネジメント経験など高い条件を求められるケースが多く、仕事を見つけることは困難であることは間違いありません。
しかし、人手不足が続く現代の転職市場では、経験が豊富な人材はたとえ年齢が高くても、実際に採用されていますので、年齢で諦めてしまうのはもったいないといえます。
40代・50代の求人に強みのある転職支援サービスを活用しながら、最適な職場を見つけて、さらなるキャリアアップを目指してみてはいかがでしょうか。